コラム「一休さんと一休み」
お棺の中には納棺の時に副葬品といって、いろいろなものを入れることがあります。少量の燃えるものでしたら大丈夫です。金属類、ガラス類、カーボン製品、ライターなどは納められません。普通例えば、故人の好きだった着物、タバコ、紙パックのお酒などです。手紙や写真などを納める方もいらっしゃいます。その他にもいろいろなものを納める方もいらっしゃいます。(納められるもの、できないものについては、葬儀屋によく聞いて下さい。)
以前、呉服屋さんのご主人の葬儀を施行したときのことです。やはりご遺族がいろいろなものをお持ちになりました。着物、タバコ、お酒、そして最後にご商売で使っていた、そろばんを納めようとされた時、喪主が「おい、それはやめとかないか。向こうにいってまで商売で苦労することはないだろ。」その言葉に、集まったお身内は「それもそうだな。」と納得され、納めることをやめました。私は、「それではお名残つきませんが、よろしいですか。」と言うと 「金子さん、最後にこれを納めてくれませんか。」とお孫さん一同の写った写真をお持ちになり、納められました。そして、一言「親父、これからこの子たちのことを守ってくれよ。それが向こうでの仕事だよ。」とおっしゃいました。